自作テーパーライン の仕上げ

テーパーラインを撚るのは、ナニかと嵩張る作業でしたが、
ラインを仕上げるのは、チマチマとした虫メガネ作業です。

仮仕上げのテーパーラインは、撚りの力が残っていたり、
セール糸が結ばれたままなので、もつれやすい状態です。
作業が混んがらからないように段ボール紙などに巻きます。
巻いた左端が9本撚りのラインで、右端が3本撚りです。

仮ライン段ボール

「糸撚り機」で撚り上げたラインを拡大して見ると…、
なんとなくよい具合に、どれも同じ調子で撚られています。
撚りの調子も、目の詰まった状態に仕上がってます。

撚りを強くする、ラインは軽々と飛んでくれますが、
撚りが強すぎるとラインの途中に浮き糸が発生します。

甘く撚るとグサグサになって、浮きムラが発生して、
ラインにしまりが無くなって、飛びがよくありません。
竿先の力がラインの浮きムラ箇所で過減衰してしまう…?
おそらくそうだろうなーと、今のところは思ってます。

撚り4本拡大

撚りは、浮き糸が発生する寸前まで、強くかけます。
その撚り加減をライン全長にわたり同じ状態にしておくと、
竿を少し振るだけで遠くまで軽く飛ぶラインに仕上がります。
さらに、強めに撚ったラインは、木の枝に引っ掛かった場合、
ハリスを切ってラインを回収してもクラッシュが少ないです。

テーパーラインは細い端末から順番に、本結びで仕上げます。
一番最初に、ハリスを結びつける蛇口を作ります。

3本蛇口糸くくり

ハリスを結ぶ蛇口を、細い糸の巻き結びで、作ります。
ここでは毛鉤用の黄色のポリエステル糸を使ってます。
グルグル巻きにして最後はハーフピッチでくくります。

蛇口セール糸外し

巻き結びを終えたら、不要のラインをカットします。
のちほど耐久性を上げるために接着剤コーティングします。

段結び4-3

これが、テーパーラインの段差の箇所の、本結びです。
1本カットしたテグスでライン段差の仕上げ結びをします。
写真は4本を3本に減らした段差箇所を結んだところです。
結び方は「ネイルノット」でしっかり強く結びます。

ラインと縫い針

ネイルネットは、ふつうは釘やパイプを使いますが、
ここでは、テグスとラインが細いので、縫い針を使います。

ネイルノット図

ラインと縫い針を重ねて、テグスを5回ほど巻いて、
針の穴にテグスを通して、針を前に引き抜きます。
するとテグスは巻いた中を通って前に引っ張られて、
巻き締めた状態でラインを結ぶことになります。

結び目から前部分にはみ出したテグスはカットします。
これでも「ネイルノット」? 「ニードルノット」ですね。

団子結びでもいいんですけど、空気抵抗が…、
水泳選手が体毛を剃るみたいなハナシですけど…。
できるだけキッチリと小さく結んでください。

段むすびセール付き

ホントは、仕上げの本結びは、仮結び箇所でしたいのですが、
太い糸が邪魔してできないので、ごく近くで本結びを…。
仮結びと仕上げ結びの間では、糸の浮きが生じますが、
仕上げてから指でしごくとラインの撚りに吸収されます。

完璧なテーパーラインの仕上げを目指す時は、
テグスをラインの撚りに合わせて巻きつけてから、
仕上げ結びをすると浮きを出さずにすみます。

段むすびセール無し

仮結びのセール糸を取り外して、仕上げ結びは完了です。
しっかり結べばこれだけでも本番で使用できますが、
耐久性を増すためにのちほど接着剤コーティングします。

ライン全長4mに

仕上げ結びの最終段階は、穂先につなぐ蛇口作りです。
この段階で、テーパーラインの全長4mを確認します。
実測では、写真のセロテープの箇所が4mでした。
この箇所に、ハリス側と同様の、蛇口を作ります。

蛇口接着剤つけ

蛇口と、段差のネイルノットの部分に、接着剤を付けます。
ナイロンやフロロカーボンテグスは難接着材なので、
実質的な接着ではなくて、保護コーティングの役目です。

乾いた接着剤で結ぶ目が緩まないようにするのが目的です。
そのため結び目よりも幅広く接着剤でコーティングします。
ボンドG-17の上を、ラインを転がすようにして塗ります。

蛇口接着剤仕上げ

G-17で、結び目よりも大きめにコーティングして、
その接着剤が完全に乾く前に、指で固めて流線型に整形します。
テーパーラインの仕上げは、ゴム系の接着材を使ってますが、
接着力は無くても、コーティングしてるので糸はほどけません。

段結び接着剤仕上げ

同じように、段差のネイルノット部分も接着剤コーティング。
結び目のズレ防止のために前後2ミリほど広く塗ります。

小さな結び目でも、コーティングすれば、強度・耐久性も十分。
いままで実釣に使って、結び目のトラブルは無かったです。

図表と仕上がり

仕上がった糸と、最初に作った設計図表の確認です。
全長、撚り具合、段の長さ、結び目、各部が図表通りなら…、
思い描いた理想のラインに仕上がっているハズです。

仕掛け巻きメモ

完成ラインを、仕掛け巻きに巻いて、データを記入して、
自作テーパーラインの、仕上げ作業は完了です。
まことに、おつかれさまでした。

さらなる理想のテーパーラインのイメージが浮かんだら、
新たなる設計図表を描いて、それを撚ってみましょう。

いつか、どこかの川で、
理想のラインを振るあなたに
お会いできたら…
…チョットしあわせ。

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テーパーライン を撚ります

「糸撚り機」を使って、テーパーラインを撚ります。

どのようなテーパーラインを撚りあげていくのか、
ご自分で理想と考えるテーパーラインを思い描いて、
まず、長さ・本数・段数の、設計図表を作ります。

今回は、ナイロン1号の9本撚りで、4mのラインです。

ライン設計図表

図表には、重りの数や、捌き板の間隔もメモしておきます。
図表の上の欄がテグスの本数で、下の欄が段の長さです。

この図表数値に従ってテーパーラインを撚っていきますと、
設計図どおりのラインが作れますので…。

ライン束ねくくり

セッティングでは、同じテンションで9本のテグスが張っています。
その9本を1本のラインにするために、1束にまとめてくくって、
テンションにバラつきが出ないように、スイベルのフックに結びます。

重り4個つけ

スイベルは紐につながり、その紐の下端に4個の重りを下げます。
今回のテーパーライン製作に使う重りは、4個合計150gです。

ナイロン1号9本撚りのばあい、テグスの回転力と張力のバランスで、
これぐらいの重りにしておくと、撚り加減が調節しやすくなります。

センター合わせ重り、捌き

撚りを開始する前に、重り台と捌き板のセンターを合わせておきます。
ガイドラインは木綿糸で、その上に、ガイドの赤マークを合わせます。
移動する捌き板は、ガイドライン上を正確にトレースするようにします。
センターが狂わなければ、各テグスのテンションは同じ状態に保たれます。

センター回転盤の

撚りをスタートする前に、回転盤も同様にセンター合わせをしておきます。
回転盤の台板が木綿糸を踏みつけるようにして固定していますが、
回転ハンドルを高速で回すと、台板が振動して糸が緩むことがあります。
台の向きだけでは無く、糸の緩みからくるセンター外れにも注意します。

回転ハンドル撚り

すべての用意が整ったので、いよいよ本番…、撚りを始めます。
回転盤の手動ハンドルを回転させてテグスを撚っていきます。
回転方向は、時計回り、反時計回り、どちらでもOKです。
この部屋では回転盤の左側に立つので、時計回りにしています。

捌き板60㎝メジャー

撚りはじめは、捌き板を重り台から60㎝の位置に置きます
撚りが始まると、撚りの箇所から60㎝の距離を保って移動させます。

ラインの撚り具合を見ながら、撚りを強くしたいときは間隔を詰め、
強すぎて撚りムラが発生しそうなら間隔を広げて、加減を調整します。
撚りの強弱はまず重りで設定しますが、微妙な調整は捌き板でします。

撚りはじまる

回転盤のハンドルを回すと、おのずと撚りが始まるのですが、
最初はテグスの距離が長いので、なかなか撚りが始りません。

250回ほどハンドルを回すと、初めて撚りが始まります。
ハンドル1回転で、糸掛けフックは6.66回転しますので、
テグスが1600回転に達するころに撚り始まる、計算です。

その後は、テグス全体に初期の撚りの力が蓄えられているので、
ハンドルを30~40回くらい回すと、徐々に撚りが進行します。

撚り余分20㎝

撚りが始まって20㎝ほど進んだ所で、別糸で、仮結びをします。
この20㎝は予備の部分で、ラインの全長調節や蛇口作りに使います。

仮結びをしている別糸は木綿のセール糸で粘着性のあるロウ引きです。
ロウが効いて滑りやすいテグスを結んでも位置がズレにくいのです。
仕上げのときは仮結びの別糸を外し、テグス自体で本結びをします。

くくって1本カット

撚りが進み、その本数の段の所定の長さになる度に、別糸で仮結びします。
仮結び箇所から20㎝ほど先でテグスを1本カットして、ほぐしておきます。
ほぐしたテグスが撚り込まれないように後ろの方にまわして置きます。

全体くくって前進

重り台のスタート地点では9本だったテグスが、撚りを進めるにつれて、
段ごとにテグスを1本減らされて、ゆるやかなテーパーがつけられます。
こうしてテグスは本数を減らしながら、テーパーラインらしくなります。

撚り途中のメモ

撚りは、最初の設計図表にしたがって、各段毎に確認しながら進めます。
それぞれの段の本数とその長さ、撚りの強弱も調節しながら作業します。
メモに忠実な作業をすると、何本でも同じラインを作ることができます。

撚り途中の回転盤

途中でテグスをカットして、テーパーラインにして行きますが、
カットしたテグスは、もつれ防止のため回転フックからも除去します。
そのとき除去するテグスが偏らないようにバランスよく間引きします。
写真は、撚りの途中で、テグスが5本になった段階の状態です。

最後3本の撚り

撚りムラも発生させずに辿り着いた最終段の3本撚りの部分です。
ラインが長くなると、撚りの力が撚り済みのラインの方にも溜り、
撚りに変化が現れるので、慎重に最後の3本撚りを完了させて、
さらに、最後の予備の20㎝を撚って、最後の仮結びをします。

撚り完了

振り返ると、段毎に仮結びをしたテーパーラインが眺められます。
最初の設計図表どおりに作業をして、これで撚り作業は終了です。
ラインを張った状態で指で触ってみて、撚り状態をチェックします。

終了メモ確認

最後に、撚り上げたテーパーラインとメモを確認して…、
「設計通りに、テーパーラインって、自作できるんだー」
とかナントカ、感心したり、ニッコリ笑ったりして…

撚りライン外す

撚り上げたテーパーラインを「糸撚り機」から外します。
ラインには撚りの力が残っているで、油断すると猛烈にもつれます。
この作業では、重り台のスイベルの回転フリー機能を利用して、
ラインを回転させて、エネルギーを放出させながら、外します。

仮ラインとメモ

設計図表通りの、テーパーラインが出来上がりました。
まだ、セール糸で仮結びをした状態なので、完成一歩手前です。

次の作業で、
仮結びの箇所を、テグス自体で本結びにして、
自作テーパーラインは、ホントの完成です。

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テーパーラインを自作してみます

糸撚り機を使って、テンカラのテーパーラインを自作します。
ナイロンテグス1号の9本撚りで、長さは4mのラインを撚ります。

糸撚り機は、重り台・捌き板・回転盤の3点セットです。
自作するテーパーラインよりも2m広い間隔でセットします。

今回は、4mのラインを撚るので6mにセッティングします。
部屋のむこう隅に重り台を置いて、対角線上のこちら隅に回転盤を、
2つは太い木綿糸でつながっていて、その間を捌き板が移動します。

上から見ると、こんな具合です。

俯瞰重り捌き俯瞰捌き回転盤

ムリしてつなぎ写真にしているので、ちょっと見づらいです。
おわかりにくいかもしれませんので、地上目線にしますと…。

回転盤からセット

手前に回転盤があって、中間に捌き板、むこう隅に重り台があります。
回転盤と重り台は動かさず、その2つを木綿糸を張ってつなぎます。
この太い木綿糸はテーパーラインの中心線を示すガイドラインです。
捌き板の移動は、木綿糸のガイドラン上を正確にトレースさせます。

1本目糸掛け

回転盤の12本ある糸掛けフックに、今回は9本のテグスを掛けます。
掛けるフック位置をまちがえぬよう、4箇所に赤マークが付いています。
糸掛けフックは高速回転するので、外れないようにチチワ結びにします。

捌き板糸通し

捌き板は、セッティングのときは、穴にテグスを通すだけですが、
穴は小さいし、テグスは透明で見えにくいし、神経使いますので、
穴通し作業は、迎え鉤を使って、簡単スピーディに済ませます。

1本重りくくり

回転盤に結ばれ、捌き板を潜ってきたテグスは、重り台のところで、
スイベルのフックに仮掛けして、釣り用の鉛重りを1個付けます。
ナス型10号(37~38グラム)でテグスにテンションを掛けます。

回転盤9本掛け

今回は9本撚りなので、テグスを9本の糸掛けフックに掛けていきます。
0時、1時、3時、4時、6時、7時、9時、10時、11時に掛けます。
本数に合わせて、できるだけ満遍なくバラすように掛けていきます。

捌き板9本掛け

捌き板のテグス通しは、回転盤に対応させて同じ位置の穴を潜らせます。
まちがえやすいので回転盤と同じ対応位置に赤マークを付けておきます。
セッティング時の捌き板の位置は、重り台の近く(約60㎝)です。

重り9個結び

9本のテグスには、それぞれ1個の重りを結びつけます。
重りを付けられたテグスは、スイベルのフックに仮掛け吊るされて、
それぞれのテグスを同じテンション(重り1個分)で引っ張ります。
テンションにバラつきがあると、撚りムラの原因になります。

俯瞰9本掛け左側俯瞰9本掛け右側

糸撚り機セットに、テグスが9本掛けられた状態です。
9本のテグスには、同じテンションが掛けられています。
捌き板は、撚りの始まる前は重り台の近い場所に位置しています。
撚りが進むと、捌き板を回転盤方向に、少しずつ移動させます。

セット完了次は撚り

これで、糸撚り機のセッティング、が終わりました。
テグスが9本、同じテンションで張られています。

次は、撚りです。
回転盤のハンドルを回し、
テーパーラインを、
撚り上げていきます。

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『糸撚り機』の「重り台」です

テーパーラインを製作する『糸撚り機』の3点セットです。
奥が「回転盤」で、中は「捌き板」、手前が「重り台」です。

重り台とセット

繊維産業界では「紡績」の2文字は、
「紡」は撚り合わせの意味があり、
「績」が引き伸ばす意味がある、そうです。

産業機械に譬えるのはおこがましいですけど…、
この手動の『糸撚り機』の3点セットのばあい、
「回転盤」がチョット「紡」の仕事をし、
「重り台」が少し「績」の役目を担います。

重り台たて棒

「回転盤」で捻られたそれぞれのテグスは、
「捌き板」を通って「重り台」に導かれ、
そこで束にまとめられ、スイベルに結び付けられます。
スイベルの紐の先には、鉛の重りが下げられています。

スイベル

テグスと重りと繋ぐ金具は、釣り用のスイベルです。
ボールベアリング5個入り、サイズは7号です。
スナップ付きですが、それを開いた状態で使ってます。
スナップを綴じた状態で引っ張り強度32キログラムで、
糸撚りには開いた状態で使いますが、十分な強さです。
重りでテンションを掛けても回転はフリー状態を保ちます。

「回転盤」で捻られたテグスは、隣りと撚り合おうとしますが、
「捌き板」があるので途中で撚り合うことができません。
しかし「重り台」のところで、それぞれのテグスは束ねられ、
隣りと接するので、そこで、撚り合おうとし始めます。

撚り合う時は、糸の捻りとは逆に回転しようとします。
ここを回転フリーにしておくと、撚り糸になり始めます。

捻られたテグスは、逆回転に撚り合わさって1本になり、
内部応力が相殺されたエネルギー安定状態になるので、
ラインの両端を固定すると、ほつれることはありません。

ナイロン滑車

滑車は動きの軽いナイロン製を使っています。
住宅の網戸に使われている軽量ナイロン滑車です。

「重り台」の滑車の高さは床から80センチです。
「回転盤」のハンドルシャフトの高さも80センチ。
「捌き板」の12の穴の円周の中心点の高さも80センチ。
同じ高さにして、撚り糸が常に水平になるようにしています。

重り4個

重りは、糸の撚り加減に合わせて、軽重を決めます。
「重り台」では、ナス型重りの個数で加減しています。
写真は、ナス型10号(37~38グラム)の4個使いです。

ナイロンテグス1号を使った9本撚りのばあい、
重り4個くらいが、撚り加減をコントロールしやすいです。
テグスの本数が多いときや、強く撚りたいときは増やします。
逆のばあいは重りの数を減らして軽くします。

重り台 単独

直線のテグスを撚って、1本のラインに仕上げていくと、
撚られて斜めになる分だけ、全体が短くなっていきます。
その分重りが上がりスイベルが前進して短縮に対応します。

4メートルのテーパーラインを撚るばあいは、
短くなった分、写真の重り紐の長さで対応できますが、
超ロングのテーパーラインを撚るときなどは、
紐が足りないので重り台を前に移動させて対応します。

ここまでで『糸撚り機』の3点セット、
「回転盤」と「捌き板」と「重り台」の
3つの仕組みと働きを説明いたしましたが、
ご理解いただけたでしょうか。

使いやすいけれど、作りやすい糸撚り機、
ローテクだけど、なんとかハイバランスに仕上げたい、
そんなふうに考えて作って、じっさいに使ってます。

使ってみて感じるのは、それまでの作り方だった
スピニングリールやハンドドリルを使って撚るのに較べ、
回転数のカウントなどの気苦労の少ないのが助かります。

簡単な構造なので、どなたでも写真と同じモノ、
きっとコレ以上の糸撚り機ができると思います。
『ご自分だけの糸撚り機』をぜひお作りになって、
自作の最上のテーパーラインを撚ってみてください。

以上、『糸撚り機』の概説でした。

じっさいにテーパーラインを撚るときは、
この『糸撚り機』ではどのような手作業をするのか、や、
『糸撚り機』自体を製作するのに必要なデータ、などは、
また、次の機会に。

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『糸撚り機』の「捌き板」です

テンカラのテーパーライン自作用の『糸撚り機』セットです。
左側が「重り台」で、中央が「捌き板」、右側が「回転盤」です。
自作できるのは、団子繋ぎの無い、1本通しのテーパーラインです。

糸撚りセット斜め

ここでは重り台と回転盤を、2メートルの間隔に置いていますが、
じっさいにテーパーラインを撚るときは、もっと間隔を広げます。
4メートルのテーパーライン製作では、余分に2メートル足して、
6メートルの間隔に離して、重り台と回転盤を設置します。
捌き板はその間に置いて、撚りの進行に合わせて移動させます。

たとえば、超ロングのテーパーラインを撚るのが目的の場合は、
目的長よりも2メートル離して、重り台と回転盤を設置します。
『糸撚り機』自体には、ライン製作の長さに制限はありませんが、
セットが直線距離で設置できるかどうか、場所のモンダイだけです。

重り台と回転盤があれば糸はすぐに撚れそうですが、うまくいきません。
隣り糸同士が撚り絡んで、メチャメチャ撚り状態になってしまいます。
無秩序に撚り合わないように、それぞれの糸を離しておかねばなりません。
糸の捻りの力を溜めてから、全体を1点に集中させて撚り合わせます。

糸の捻りの力の溜り具合をみて、もつれないように糸を捌きながら、
部分ごとの撚りを完了させる役目を担うのが、この「捌き板」です。

撚りは「重り台」の近くから始まるので調節しながら撚り進めます。

『糸撚り機』を使ってテーパーラインを自作するときは、
予定通りのラインが撚れますので、設計図表を作ります。
テグスの材質を選択し、自作するテーパーラインの長さを決めて、
何本撚りの、何段にして、どんなテーパーをつけるかを設計します。
その設計図表にしたがって、テーパーラインを製作します。

捌き板前

捌き板の穴の広がり間隔は、広い方が調節しやすくなるのですが、
広すぎるとテグスが「く」の字に屈折して、穴の縁に接触します。
テグスと穴の接触が強いと、捻りの力がそこで止められてしまいます。
接触しても捻りが損なわれない角度…しかも調節しやすい広さとは?
ここでは27センチの円の上にテグス通しの12の穴をあけています。

ベニヤ板の穴のままだと、テグスの捻りに強くブレーキがかかるので、
滑りをよくするためにオイレスフランジブッシュを嵌め込んでいます。

穴オイレスブッシュ

嵌め込んだ部品は、樹脂に潤滑油を含有させた、無給油軸受けです。
簡易ベアリング軸受けのようなはたらきをするプラスチック部品です。
「回転盤」の糸掛けシャフトの軸受けと同じブッシュを使ってます。
オイレス#80フランジブッシュ、品番80F-1010、
MonotaROで、1個34円で注文購入しました。

捌き板の12個の穴のうち、4つには赤印が付いていますが、
回転盤のこちらに見える側の面にも4つ赤印が付いていて、
どのシャフトの糸がどの穴を通るのか、間違い防ぎの目印です。

捌き板後ろ

コチラが、捌き板の重り台側の面です。
複数のテグスがピンと張られた状態で、重り台に向かってます。
これくらいの大きな円周上に広い間隔で穴をあけて通しておくと、
テグスが離れているので、強く撚ってもこんがらかりません。

迎え鈎とハサミ

捌き板の下方にフックがあって、小道具が掛かっています。
小道具の1つは、穴にテグスを通すときの迎え鉤です。
小さな穴に細い糸を通すので、有ると便利な道具です。

もう1つはハサミで、撚り終えた不要の糸を切るときに使います。
1本通しのテーパーラインは、糸数を減らして段々に細くしていきます。
それぞれの段が所定の長さになったら、テグスを1本ずつ減らしますが、
その時に使うハサミなので、作業の近くの捌き板に掛けておきます。

捌き板の距離

テグスを撚っているときの、捌き板の位置です。
撚り始まる箇所から、おおよそ50センチくらい離しますが、
場所によって、糸を捻る力の溜まり具合が違いますので、
強く撚るときは捌き板の距離を詰め、甘撚りにするときは長くします。
こまめに撚り加減を確認しながら、捌き板を移動させていきます。

この調節がうまくできると、全体の撚りが均一になります。
全体を均一に撚り上げると、テーパーラインの性能が安定します。

捌き板の戸車

撚り加減の調節は、捌き板自体の位置移動で行いますから、
スムーズに移動できるよう台の下に戸車が付いています。

複数テグスは、重り台の重りヒモとの結び目から撚りが始まって、
段々に撚られて1本のラインとなり、回転盤に近づいていきます。

テグスは撚られていくと、撚りが入った分だけ、全長が短くなります。
強く撚るとより短くなり、甘く撚ると短くなる分が少ないです。
重り台の重りは、撚りで短くなった分だけ、持ち上がっています。

自作テーパーラインは、設計図にしたがって撚り進め、
「回転盤」の近くで、撚り糸の終端が所定の長さになった時点で、
最終の仮り結びをして「仮りテーパーライン」の完成です。

重りを切り離し、糸掛けフックからテグスを外し、
仮り仕上げのラインを『糸撚り機』から外します。

糸の結び方や、テンションの掛け方、仮り結びの方法などは、
「テーパーライン自作」編のときに、ご説明いたします。

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